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シリーズ「この人に聞く」

木村長敏さん(管理運営事業部副部長)          2011(平成23)年6月15日掲載

木村長敏
ADR理念や技法をどんどん実務に取り入れて自分達でトラブルを解決していける世の中になるよう啓蒙していければと思います。


――まずは自己紹介から。
木村長敏です。40年間法律事務所に勤務していました。現在は、日本マンション学会 関西地域委員会の委員、日本マンション管理士会連合会 ADR検討委員会の委員長、その他多数の団体の委員や代表をしています。主な資格としては、マンション管理士などで、活動としては、豊中市役所マンション問題相談員を7年、吹田市役所のマンション相談員を2年、豊中市民情報サロン「マンション管理セミナーと相談会」 を7年しています。

――では、現在の集改センターでの活動内容を教えてください。
昨年度まで、セミナー事業部副部長として活動してまいりましたが、今年度から管理運営部会副部長としてお世話させていただいております。

――木村さんは、マンションADR研究所を主宰されたり、ADR検討委員会の委員長をされていますが、ADRについて簡単な説明とADRをやろうと思った動機を教えてください。
ADRとは、Alternative(オルターナティヴ・・他に選び得るその他の方法・手段)Dispute(ディスピュート・・・・紛争・もめごと)Resolution(リゾルーション・・・解決・解消・決心)の頭文字ADRをとったもので、裁判外民事紛争解決制度のことをいいます。平成19年4月1日からADR促進法(裁判外紛争解決手続きの利用の促進に関する法律)が施行されました。ADRとは、簡単にいえば、裁判所が中心となって司法解決など、自分のことを他人から決定されるのではなく、自分のことは自分で決めませんか(自律的自己決定)、ということです。成熟した個人であるほど、トラブルももっとお互いが直接話し合うことにより協働して自分達で解決していきませんか、ということを目指すものだと言えます。このようなADRに興味を持ったのは、司法試験を目指していた頃勉強した民事訴訟法の井上治典先生(物故者)の「手続保障の第三の波」でした。この理論は、民事訴訟における判決効論や手続保障論の枠組を越えた法社会学的な視点を取り入れた領域にまで及び新境地を開拓したもので、今日のADRの基礎のようなものでした。

――しかし、こじれた関係の当事者同士の話し合いでうまく解決に結びつくとは思えませんが……
そうですね。だから、きちんとした話し合いを促進のために公平・公正・中立な第三者としてのメディエーターが間に入って、当事者による話し合い解決を図ろうとするものです。そのメディエーターというのは、調整・調停者・手続き実施者のことで、さまざまな話し合い促進技術(ADR技法)を習得した人のことです。

――メディエーターが大きなポイントになりそうですね。では、今後、NPO 集改センターでやりたいことは何ですか。
このようなADR理念や技法をどんどん実務に取り入れて自分達でトラブルを解決していける世の中になるよう啓蒙していければと思います。そのためには、ぶつかり合っても仲良くいられる方法としての訓練「ピア・メディエーション」が必要になってくると思います。

――ピア・メディエーションとは何ですか。
ピア・メディエーションとは、仲間同士のトラブルに、教師や弁護士などのプロの指導者が入るのではなくて、仲間同士で話し合いを通じて自分達の力で解決する新しい方法です。だから、生活の場である管理組合のトラブル解決には非常に有効な手段だと考えています。勝ち・負けを決する司法解決では、どうしてもしこりが残ってしまい、安心・安全なマンションライフは望めなくなります。お互いに納得して話し合い、握手できてこそ本当の和解になると思います。

――確かに、自己解決できるのが一番ですね。では、最後に木村さんの趣味は何ですか。
小学校5年生から大学生までやっていた剣道です。大学時代には池田勇治先生、高田芳彦先生に師事していまして参段です。ほかには、落語が大好きで、もう亡くなりました桂枝雀師匠の大ファンで「枝雀狂」と言われるほど好きで、中でも「質屋蔵」という落語は、師匠の演じた年齢によって全く別の演目に聞こえるくらいすごいものです。また、浪曲も好きで、春日井梅鶯の「天野屋利兵衛」を45分「おが、おが、うなり」演じては、友人を悩ませています。

――プライベートも充実されているようですね。今日はお忙しいところ、ありがとうございました。

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